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レイアウト実例

10坪の居酒屋の厨房レイアウト
席数の取り方と、入る機器・入らない機器

10坪(約33㎡)は、個人開業でもっとも多いサイズのひとつです。この広さで居酒屋をやる場合、厨房を何坪取るかで席数が決まり、席数で売上の上限が決まります。先に決めるべきは客席ではなく厨房です。

最終更新:2026年7月29日/掲載内容は一般的な目安です。最終的な判断は所轄の窓口や施工業者にご確認ください。

結論10坪をどう配分するか

10坪 = 約33㎡。ここから厨房・客席・その他(トイレ、入口、バックヤード)を配分します。居酒屋は多品目・多熱源で、洗い物も多い業態です。厨房を削りすぎると、席数があっても回りません。

区画配分の目安考え方
厨房3〜4坪(30〜40%)居酒屋は加熱機器の種類が多く、3坪を切ると構成に無理が出ます
客席5〜6坪ここが売上の上限を決めます
トイレ・入口・通路1〜1.5坪削れません。トイレは必須設備です
バックヤード0.5坪前後ゴミ、段ボール、樽、着替え。忘れられがちですが必ず要ります
「厨房は狭くていい」で始めると、あとで詰みます

厨房を2坪台に圧縮して席数を稼ぐ設計は可能ですが、その場合はメニューを絞る前提が必要です。串焼き・揚げ物・刺身・煮込みをすべて出すつもりなら、機器が入りません。席数から決めるのではなく、出したいメニューから機器を決め、その面積を確保してから客席を割り付けるのが順序です。

売上の上限席数の目安

席のタイプ1席あたりの必要面積の目安客席5〜6坪での席数
カウンター席約0.3坪/席ゆとりを見て16〜20席程度
テーブル席(4人掛け)約0.4〜0.5坪/席12〜15席程度
小上がり・座敷約0.5坪/席10〜12席程度

いずれも通路を含んだ目安です。実際の席数は、柱・梁の位置、入口の向き、トイレの位置で変わります。

10坪の居酒屋はカウンター主体が有利

  • 面積あたりの席数が多く取れる。同じ客席面積で、テーブル席より数席多く入ります。
  • 1人客を取り込める。4人掛けに1人を通すと、実質3席が死にます。
  • 提供動線が短い。カウンター越しに出せるため、ホールの人手を減らせます。
  • 厨房と客席の境界が兼用できる。カウンター下を作業台や冷蔵に使えます。
無料・登録不要・5分 10坪・居酒屋・◯席で、必要な機器と費用を出す。 業態を「居酒屋」、席数と出したいメニューを入力すると、必要な厨房機器の一覧・外形寸法(W×D×H)・概算費用・必要な設備容量が出ます。厨房3坪に収まる構成かどうかを、数字で確認できます。 厨房機器と費用を無料で診断する 物件を決める前に確認しておきたい項目です

実例厨房3坪に入る機器構成

厨房3坪 ≒ 約9.9㎡。たとえば間口3,600mm × 奥行2,700mmを想定して、両側の壁面に機器を並べる構成(Ⅱ型)を考えます。串焼き・揚げ物・刺身・ドリンクを出す標準的な居酒屋の例です。

壁面機器幅の目安
A面
加熱ライン
(3,600mm)
ガステーブル(3口)約900mm
焼き台(串焼き用)約600mm
フライヤー(1槽)約450mm
作業台約600mm
コールドテーブル(台下冷蔵)約1,200mm
B面
洗浄・仕込みライン
(2,700mm)
2槽シンク約1,200mm
作業台(水切り兼用)約600mm
手洗い設備約300mm
製氷機(アンダーカウンター)約600mm
上部・壁面排気フード(加熱機器の上)/吊り棚/食器棚加熱機器幅+余裕
客席側生ビールサーバー/ドリンク用冷蔵/グラス置き場カウンター下を活用

寸法は一般的な機種の目安です。実際の選定では、機種ごとの外形寸法で積算してください。

縦型冷蔵庫は「入るか」を最後に検討する

10坪の居酒屋で悩ましいのが縦型冷蔵庫です。W1,200mmクラスは3坪厨房では通路を圧迫します。対処としては、① W750mmの小型4枚扉にする、② コールドテーブルを2台に増やして分散させる、③ 客席側やバックヤードに置く、のいずれかになります。仕入れ頻度を上げられるなら、容量を落とす判断もあります。→ 業務用冷蔵庫の選び方

動線通路幅と配置の型

機器の幅を足して壁面に収まっても、通路が確保できなければ厨房として機能しません

  • 1人で回す厨房/通路幅は750〜900mm程度あれば動けます。狭いほうがむしろ移動が減る面もあります。
  • 2人以上ですれ違う厨房/900〜1,200mm程度は確保したいところです。ここを削ると、ピーク時に人がぶつかります。
  • 扉・引き出しの開閉分/冷蔵庫の扉、オーブンの扉、シンク下の引き出し。開いた状態で人が通れるかを図面で確認します。
  • Ⅱ型(対面)が基本/10坪クラスでは、加熱ラインと洗浄ラインを向かい合わせにするのが定番です。
  • Ⅰ型(一列)/さらに細長い物件では、片側壁面に全部並べる形になります。動線は長くなります。

配置の型と通路幅の考え方は 厨房レイアウトと通路幅 に詳しくまとめています。

取捨選択削れる機器・削れない機器

削れない(10坪でも必須)
  • 手洗い設備施設基準に関わります。位置と数も確認されます
  • シンク槽数の要件があります。所轄の保健所へ確認してください
  • 冷蔵設備台下だけでも必ず必要です
  • 排気フード加熱機器を置くなら必須。寸法は機器から決まります
  • 製氷機居酒屋では実質必須。購入氷での運用は原価も手間も重い
  • ガス機器(加熱)メニューに応じた口数を確保します
後回しにできる(規模拡大時に検討)
  • 食器洗浄機三相200Vと前後スペースが必要。10坪では厳しいことが多い
  • スチームコンベクションオーブン電源容量と設置面積の両方を食います
  • 大型冷凍庫台下冷凍やコールドテーブルの冷凍室で代替できることも
  • 真空包装機仕込みの量が増えてから
  • 大型の縦型冷蔵庫仕入れ頻度を上げれば容量を落とせます

機器ごとの価格は 厨房機器の価格相場一覧、食洗機の判断は 食器洗浄機は必要か をご覧ください。

要注意狭い厨房でよくある失敗

  • 冷蔵庫の扉が通路側に開く/開けると人が通れません。開き方向は発注時に指定できます。
  • 洗い場が小さすぎる/ピーク時に食器が詰まると、提供が止まります。シンクの前後に置き場が要ります。
  • ドリンク動線がホールと交錯する/居酒屋はドリンクの出数が多い業態です。サーバーの位置は動線の要です。
  • ビール樽の置き場を忘れる/樽・ボンベ・段ボール・ゴミ。置き場のないものは通路に置かれます
  • フードが加熱機器を覆いきれていない/機器を後から大きくすると起きます。→ 排気フードとダクト
  • 電気容量が足りない/冷蔵・製氷・サーバーの同時起動でブレーカーが落ちます。→ 電気容量が足りないとき
  • 搬入経路を測っていない/2階以上の物件では特に注意が必要です。→ 搬入と設置
見積もりまで無料
10坪に、その構成が本当に収まるかを図面で確かめる。

厨房図面の作成依頼  /  ちゅーぼーラボ

作成料 33,000 税込 面積・プランに応じて変わります。お見積りの提示までは費用がかかりません。金額をご確認いただいたうえで、お申し込みをご判断いただけます。

狭い厨房ほど、図面の精度が効いてきます。機器の幅を足しただけでは、扉の開閉も通路も足りません。実寸で機器を並べ、通路と扉の逃げまで確認することで、席数を最大化しながら回る厨房が作れます。

  • 厨房レイアウト図/実寸配置・通路幅・扉の開き方向まで作図
  • 席数の最大化/厨房面積を詰めたうえで客席の割り付けを検討
  • 設備総容量リスト/ガス(kW)・単相・三相の集計と契約容量の確認
10坪のレイアウト図を依頼する 診断結果をお持ちでなくてもご相談いただけます。

よくある質問

10坪の居酒屋で厨房は何坪必要ですか?

3〜4坪が目安です。居酒屋は加熱機器の種類が多く、洗い物も多いため、3坪を切ると機器構成に無理が出ます。串焼き・揚げ物・刺身・煮込みをすべて出すなら3.5坪前後は見ておきたいところです。厨房を2坪台に抑える場合は、メニューを絞る前提が必要になります。

10坪の居酒屋で何席取れますか?

客席に5〜6坪を割り当てた場合、カウンター主体なら16〜20席程度、テーブル席中心なら12〜15席程度が目安です。柱や梁の位置、入口とトイレの位置で変わります。10坪クラスではカウンター主体のほうが面積あたりの席数を多く取れ、1人客も取り込めます。

10坪の厨房に業務用の縦型冷蔵庫は入りますか?

幅1,200mmクラスは通路を圧迫することが多くなります。対応としては、幅750mmの小型4枚扉にする、コールドテーブルを増やして分散させる、客席側やバックヤードに置く、といった方法があります。仕入れ頻度を上げられるなら容量そのものを落とす判断もあります。

狭い厨房の通路幅はどれくらい必要ですか?

1人で回す厨房なら750〜900mm程度で動けます。2人以上がすれ違うなら900〜1,200mm程度は確保したいところです。加えて、冷蔵庫やオーブンの扉を開いた状態で人が通れるかを図面で確認してください。扉の開き方向は発注時に指定できます。

さらに詳しい質問と回答は よくある質問ページ にまとめています。

まとめこの記事の要点

  • 10坪なら厨房3〜4坪・客席5〜6坪が目安。厨房を先に決めてから客席を割り付ける。
  • 席数はカウンター主体で16〜20席、テーブル中心で12〜15席程度。
  • 厨房3坪は間口3,600×奥行2,700程度。加熱ラインと洗浄ラインを対面に置くⅡ型が基本。
  • 削れないのは手洗い・シンク・冷蔵・フード・製氷。食洗機とスチコンは後回しにできる。
  • 失敗は扉の開き方向・洗い場の狭さ・樽やゴミの置き場で起きる。図面段階でしか直せない。

10坪は、設計次第で驚くほど差が出る広さです。厨房を先に決めるという順序さえ守れば、席数を削らずに回る店は作れます。まずは出したいメニューから機器を洗い出してみてください。

この記事を書いた人

ちゅーぼーシミュレーター 運営者

業務用厨房レイアウト設計/実務10年

  • HACCPコーディネーター
  • 二級管工事施工管理技士

業務用厨房のレイアウト図作成に10年従事。ラーメン店・カフェ・居酒屋・焼肉店・キッチンカーなどの個人店舗から、セントラルキッチンや学校給食施設まで作図を担当してきました。 現在は、その実務で使っていた機器選定と設備容量の基準をデータベース化し、本サイトの診断ロジックとして公開しています。

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